前回はプレゼンの本番の場で相手がどう感じているのか、興味は何かを察知する方法についてお伝えしました。
今回は、プレゼンの準備段階でどう観察力を活かすかについてお伝えします。
プレゼン資料を作成するときに、
構成や骨子を作っていざスライド作成を開始。
自分が発表する内容は相手目線になってますか?ついつい自分の伝えたいことを語っておしまい。
いざ、本番、相手は前のめりになって聞いてくれなかった。そんな経験はありませんか?
相手のニーズに寄り添ったプレゼン内容を作るためには?
(1) 相手のニーズをリサーチする
相手の立場や関心事、価値観を理解することが重要です。
相手が何を重視し、どのような情報を求めているのかを事前にリサーチすることに挑戦してみましょう。
リサーチの内容の例は、相手の業界や職務、最近のプロジェクトなど・・・
リサーチをしていくと相手が抱えている課題や期待しているこが分かってきます。
(2) 相手のニーズに寄り添った内容を作る
相手のニーズに寄り添った内容とは、以下の2つのポイントが含まれています。
- 共感する部分がある:相手が自分ごととして共感できる要素があること
- 相手が知りたいと思う内容になっている:相手にとって有益で興味を引く情報が含まれていること
このような内容を作るためには、相手に対して興味を持ち、彼らの考えや関心をリサーチする必要があります。
しかし、実際には相手に興味を持てないこともあります。
そんなときにどう対処するか、具体的な方法を紹介します。
まずは、どんな相手でも「興味を持ったフリ」をしてコミュニケーションを取るというアプローチが有効です。
ステップ1: 相手と積極的にコミュニケーションをとる
相手に興味を持つための第一歩は、実際に相手とコミュニケーションを取り始めることです。
相手へ質問をして、その返答には肯定的に「いいね」と伝える。
そこで、会話を終わらせるのではなく、相手の発言を深掘りする質問を投げかけることが重要です。
その時に役に立つのが、5W1Hの中のWhat!
例えば、「それはどうしてそう思ったのですか?」や「その経験からどんなことを学びましたか?」といった質問をすること。
そうすると、相手の興味や思考のクセを探ることができます。
ステップ2: 見つけた「いいな」を「好きな部分」に膨らませる
相手とのコミュニケーションを通じて、少しでも「この部分はいいな」と感じるところが見つかったら、そこにフォーカスしていきます。
その「いいな」を「好きな部分」へと意識的に膨らませることが、相手に興味を持つための次のステップです。
具体的には、相手のその部分についてさらに質問をしたり、その良い点を褒めたりすることで、相手との関係性を深めていきます。
ステップ3: 全く興味を持てない場合は、仮説を立ててみる
それでも相手にまったく興味を持てない場合もあります。そんな時は、相手の価値観が自分とは全く違うからかもしれません。
そこで、相手の目線(つまり、自分とは異なる視点)で考えてみることが重要です。
例えば、相手が何を優先し、どんな問題を解決したいと考えているかを仮定してみます。
その上で、仮説を立てて「相手はこういう情報を求めているのではないか?」と考えてみます。
それに基づいた質問を投げかけることで、相手のニーズを探ることができます。
ステップ4: さらに質問を深掘りし、提案を磨く
仮説をもとにした質問を通じて、相手の反応を見て、さらに深掘りしていきます。
こうした対話の中で相手のニーズや価値観を掴み、それに合わせたプレゼンテーション内容を作ることができます。
この過程を繰り返すことで、相手にとってより効果的な提案ができるようになります。
(3) 簡潔なメッセージを心がける
(1)、(2)を実践した後は、相手理解しやすい、相手に届くメッセージを作成することができます。
あれこれと情報を詰め込むのではなく、重要なポイントだけに絞ることがポイントです。
相手が反応しているかどうかを観察して自分がたてた相手が求めるニーズがあっているかの答え合わせをする。
まとめ
プレゼンの資料作成は単なる情報の羅列ではなく、相手のニーズに寄り添うことが大切です。相手に興味を持ち、深掘りしていくことで、より共感を得られるプレゼンを作り上げることができます。相手にとって意味のあるプレゼンを目指すために、相手の反応を観察しながら、自分の仮説を磨き続けることを心がけましょう。